【J1第10節】大宮アルディージャ戦短評

★J1第10節★

【会場】
札幌ドーム(北海道)
2017年5月6日13:00キックオフ

【スコア】
 コンサドーレ札幌 1-0 大宮アルディージャ


【得点】
(札幌)58分 宮澤



20170507195003
20170507195016

J1残留のために:あと【7勝1分16敗】



スタメン・ベンチ・途中交代


20170507195030
20170507195039



得点・失点まとめ


【58分・得点シーン】
左サイドからのコーナーキック。
福森がゴール真ん中に蹴りこむと、そこで待っていた金園がヘディング。
ボールは左隅のゴールポストに当たり跳ね返るが、大宮の選手に当たりゴール前に。
そのボールを宮澤が蹴りこみゴール!



試合のポイントまとめ


対戦時点で最下位に沈む大宮との試合。
札幌が残留するためには大事な大事な一戦でしたが、見事勝利。

この試合のポイントは3つ。


【ポイント①:大宮の戦い方】
この試合、札幌はいつも通りの5-3-2。
大宮からレンタルの横山は契約上出場できないため河合が真ん中に入り、負傷している田中に代わり菅が連続スタメン。
対する大宮も5-3-2という、札幌にミラーゲームを仕掛けようという意図がある布陣。
どうやらそれまでは4-4-2だったそうですが、札幌対策という事でしょうか。
この試合はそうした大宮の状態、戦い方が非常に大きなポイントでした。

大宮は5-3-2にして、普段はボランチの金澤を最終ラインの真ん中に配するフォーメーション。
大宮は前節、浦和に勝利しているのですが、その時、興梠をマンマーク気味に付いて浦和の攻撃を封じたようなのですが、それを札幌相手に、都倉相手に同じことをしようという意図なんでしょうね。
金澤が都倉を封じて、両脇に控える山越、高山が金園を抑える、そんな布陣に見えました。
ただし、最終ラインは5人ですが、引いてしっかり守る、というわけではなく比較的ラインは高め。
このため、良い位置でボールを奪うと都倉が裏に抜ける、という場面が何度もありました。

さらに、ボランチは3ボランチ気味ですが、しっかりと守るような立ち位置ではないためプレスが緩く、兵藤、荒野が比較的フリーでボールを持ち前を向ける場面が非常に多かったです。
2トップも特にプレスをかけるような感じではないので、札幌は試合を通して伸び伸びとボールを回せていました。
これは札幌としては助かった部分ですねぇ。
今回は横山がいなかったため、福森にプレスをずっと掛け続けられたら攻撃が停滞していたでしょうね。

大宮は攻撃時も、5バックの両サイドがそれほど上がらず、簡単に前に放り込むので単発の攻撃に終始し、中盤に人数がいないためセカンドボールは札幌が拾い放題の状態。
2トップの江坂、瀬川は両サイドに開く動きが多いため、クロスを上げても真ん中に人がおらず簡単に跳ね返せる、という状態でした。

札幌にとって大宮は非常に戦いやすい相手であったのは間違いありません。


【ポイント②:兵藤・荒野の躍動
この試合、兵藤と荒野が躍動していました。
前述した通り、この日は中盤のプレスが緩くスペースもあったため、走れば走るほど試合を支配できる状況でした。
この中、兵藤と荒野が空いたスペースを埋めるべく走りまくり、終始札幌のペースとなる原動力となりました。
最終ラインからのボールを引き出しキープし前に運び、都倉、金園が跳ね返されたボールをいち早く拾い2次攻撃に繋げていました。
この2人の働きがあったため、大宮の最終ラインは結果的に誰一人抑える事ができず、ズルズルと下がっていき、さらに2人が働けるスペースができるという好循環が生まれました。

さらに荒野は、守備でもいち早く戻りボールを奪う、相手を止める、スペースを埋める働きをしっかりとこなしていました。
これにより、大宮はほとんど攻撃ができずに試合を終える事になります。
ジュビロ戦であれだけスペースを空けていた荒野ですが、大宮のようにそれほどダイナミックにボールを動かさない相手には相性が良いという事なんでしょうね。

ただ、攻守に貢献していた荒野がサイドに回った直後から、大宮に中盤のスペースを空け渡し防戦一方になってしまったのはちょっと残念でしたね。
それだけ荒野の働きが重要だった、という事でもあります。


【ポイント③:交代枠
札幌は今、怪我人が多く選手層が薄いので仕方ないのですが、この試合、札幌が交代枠を使えば使うほど勢いが落ちて行くのが目に見えてわかりました。
金園からジュリーニョに代わって前線からのプレスが緩くなり大宮の攻撃を楽にし、菅から前寛之に代わりさらに荒野がサイドに行った事によって中盤での運動量が減りセカンドボールが奪えなくなりました。
最後の交代枠、進藤は効果的な働きをしてくれましたが、交代枠を使えば使うほど、相手にペースが渡ってしまうため、最後の10分間はいつ失点してもおかしくない状態。
結果的に完封できましたが、札幌のペースから大宮のペースに移り変わってしまった交代枠の使い方は大きなポイントの一つでした。



個人的MVP


荒野選手です。


前述した通り、この試合では一番大きな活躍をしてくれました。
持ち前の運動量をいかんなく発揮できた試合でした。
しかも今回は攻撃だけではなく、守備でも相手の芽を摘み取るという地味だけど相手にペースを渡さない働きを90分間こなしていたのは、評価されるべきでしょう。
若いというのもあるでしょうが、J1でも徐々に戦力になってきているのは成長の証なんでしょうねぇ。
ボールを持った時に判断が遅いのはまだ改善されていませんが、それが速くなれば札幌にとっては替えの効かない選手になるんでしょうね。



個人的ワースト選手


前寛之選手です。

途中交代での出場でしたが、まったく戦力になっていませんでした。
あの場面で必要だったのは、中盤でプレッシャーを掛け続け、ボールサイドに寄って守備人数を増やす事。
とにかく走り回る事。
それがまったくできず、プレスを掛けにいけない、セカンドボールを回収できないという、まるで札幌は10人で戦っているような状況に陥りました。
ボールを奪いに行って交わされこぼれ球をキープできずに相手のカウンターの引き金になった場面、兵藤が激怒していましたが、それほど役に立てず。
どういう指示を受けて出たのかわかりませんが、短い時間でも自分の良さを出して試合に貢献する事が求められる中、何の貢献もできないのはいただけません。
もっと出来る子だと思いますので、次回チャンスがあればがんばってほしいですね。


 

その他のトピック


今回のほかのトピックは以下の通り。

①金園の無得点力は中山元気を彷彿とさせる!早く点取って!!!

②中村太主審は素人なの?docomoから何ギガ受け取ったの?というぐらいの謎判定!あれはPKじゃろが!!!

③大宮のGK塩田は都倉にキレすぎ!!!

④江坂瀬川の群馬コンビは怖すぎ。。。どっちか札幌にこないかなぁ。。。

⑤大宮相手に勝ち点6の価値ある勝利は残留に向けて大きい!!!

⑥いつの間にか試合内容にケチつけられるまでになってる!ちゃんとJ1のチームになってる!戦えてるぞっ!!!


こんなところでしょうか。
さて、次回もホームでガンバ大阪戦です。

久々に今野と戦える!清水が互角に戦えたなら札幌だって戦えるはず!勝ち点取るぞ!!!

【J1第9節】ジュビロ磐田戦短評

★J1第9節★

【会場】
ヤマハスタジアム(静岡県)
2017年4月30日15:00キックオフ

【スコア】
 コンサドーレ札幌 2-2 ジュビロ磐田


【得点】
(札幌)3分 横山
(札幌)16分 都倉
(磐田)60分 川又
(磐田)65分 上田


20170501220811
20170501220822

J1残留のために:あと【8勝1分16敗】



スタメン・ベンチ・途中交代


20170501220836
20170501220843



得点・失点まとめ


【3分・得点シーン】
宮澤が左サイド奥深くでボールを受けクロスを上げようとするが磐田の選手にブロックされる。
しかしそのこぼれ球を拾った福森がフリーの状態でクロスを上げると、磐田GKと横山の間に落ち、そのボールを横山が蹴りこみゴール!

【16分・得点シーン】
ソンユンのゴールキックを宮澤が頭に当て前に送る。
それを都倉が収めて右サイドに展開すると早坂がサイドをえぐりクロス。
そのボールに走りこんでいた都倉が頭で合わせゴール!!

【60分・失点シーン】
左サイドの深い位置で菅がボールを持ちボルドアップ開始。
数人で回したボールを受けた菅が素早く兵藤に送るがマークが厳しく取られてしまう。
奪われたボールを右サイドに展開され、ボールを受けた磐田の選手がゴール正面にドリブル。
それに横山、ミンテが引き付けられ、ディフェンスラインを横切りながら空いたスペースに走りこんだ川又にパスが入る。
そのボールを川又が蹴りこみ失点。

【65分・失点シーン】
ディフェンスラインからビルドアップしようとしたボールを川又がカットし、中盤にいた磐田の選手に拾われる。
そのボールを右サイドに展開され、ディフェンスラインに張り付いていた川又がワンツー。
ワンツーを受けようとした磐田の選手に対し荒野が後ろから足を入れファール。
ゴール近くからのフリーキックは壁の右端にいた福森の頭に接触し、そのままゴールに吸い込まれ失点。



試合のポイントまとめ


一昨年までJ2でしのぎを削っていたジュビロ磐田との一戦は、悔しい悔しい引き分けでした。

この試合のポイントは3つ。


【ポイント①:早すぎた2点】
この試合の札幌はいつもの5-3-2システム。
ディフェンスラインの5枚はいつも通り、ボランチに宮澤と荒野、兵藤が並び、2トップに都倉と金園という布陣。
久々に前線に都倉と金園というツインタワーが揃った札幌、開始直後から前線からのプレスを激しく行きます。
いやぁ、都倉と金園がディフェンスラインに圧力かける姿、、、相手にとってはすごく嫌だったでしょうねぇ。
さらにこの試合、相手が3バックだったからか、都倉がスイッチを入れプレスを掛けにいく時は、兵藤または荒野が都倉・金園の空いたサイドに入り即席3トップのような形でパスコースを切り、そこを交わされるとすぐに3ボランチに戻る、という形でした。
磐田の選手はこの圧力に戸惑っていたのか、比較的パスミスを繰り返し、そこから札幌が攻めこむというシーンが目立ちました。
そんな中で早々に横山、都倉の2ゴール。開始20分で2-0とリードしました。
しかもこの2点とも、札幌がこだわっていたサイドからのクロスが起点となるゴール。
このままイケるんじゃないか、と思いました。
正直、この時点で勝てる!と思ったのは内緒です。

ただ、こんな早い時間帯に2点差とした札幌、去年までなら早々に省エネサッカーに切り替えていたと思うのですが、舞台はJ1、2点差はセーフティリードではないという考えからか、普通に攻め続けます。
しかも後半も攻め続けカウンターを喰らい失点を重ねてしまいます。

前半は問題なかったと思いますが、なぜ後半も攻め続けたのか、、、私にはちょっとよくわかりません。
もしこれが去年なら相手がどこであろうと9人でしっかりと引きこもり、攻撃は都倉、スタミナ大魔王の荒野に任せるという戦法に切り替えていたと思います。
そしてそれが札幌のサッカーでした。

しかしこの日選択したのは攻撃し続ける事。
2点差はJ1ではすぐにひっくり返されるという判断だったのか、それとも最近勝ちがない状況で勝ちを焦ったからか。。。

2点リードした後の戦い方には非常に悔いが残りますし、もし『いつもの札幌の相手をJ2に引きずり込むサッカー』に徹していれば勝てていたと思います。
結果的にこの判断ミスが試合を大きく左右する事になりました。


【ポイント②:後半のスカスカ布陣
最初に書いた通り、札幌は前半はいつもの5-3-2でした。
そして時折、兵藤、荒野のどちらかが前線のプレスに参加し、ダメだったらすぐに戻る、という戦術。

しかし後半、メンバーこそ変えませんでしたが、システムは5-2-3に変更しています。
ディフェンスラインは変わらず、ボランチが宮澤、荒野が横並びになり、最前線の真ん中に都倉、その両脇に金園と兵藤という布陣。

大きく変わっていないように見えますが、大きな違いは兵藤がボランチに戻らなくなった事。
これが後半の劣勢を生みます。

前半の札幌、守備時は都倉と金園が正面をブロックし、サイドに寄ってきたら兵藤、荒野のどちらかがプレスに行くという状況でしたが、
後半の札幌、守備時は都倉が真ん中でプレスをかけ、金園と兵藤はどちらかというとサイドを見るような恰好。
これがさっぱりプレスかからない!!!
真ん中は基本的に都倉だけなので、磐田は簡単にボランチにボールを通せるようになります。

さらにボランチに渡った後の札幌は宮澤、荒野の2人だけ。
2ボランチシステムは去年の基本システムでしたが、このシステム、大きな欠陥を抱えています。
5-2-3だと、ボランチの両脇が大きく開いちゃうんですよね。
それを埋めるためには宮澤、荒野が横に大きく、そして素早く動く必要があります。
それが出来なくなると、ボランチの両脇、WBの前を自由に使われアーリークロスをバンバン入れられる事になるため、WBがどうしても釣りだされてしまい、するとディフェンスラインの裏がぽっかりと空き、そのスペースを使われ失点、という形、去年のJ2終盤で何度も見ましたよね。

この日の札幌も後半、同じような状況に陥ってしまいます。
しかもこの日のボランチは宮澤と荒野。
まぁ宮澤はいいとして、問題は荒野です。
去年2ボランチでも上手くできていたのは、宮澤と深井が阿吽の呼吸でどちらかがプレスを掛けに行くとどちらかが真ん中にポジションを取りカバーの態勢に入ってスペースを空けなかったため。

しかし荒野ってこういう時、ボールしか見れなくなっちゃうんですよねぇ。
1失点目、宮澤がボールサイドに寄ってビルドアップに参加している時、荒野もなぜか宮澤のすぐ近くにポジションを取っています。
この状態でボールを奪われたため、中盤の真ん中から逆サイドがスカスカになっており、そこにボールを入れられ失点。
2点目も荒野がボールサイドに寄りすぎて真ん中がスカスカになっていたためあそこでファールせざるを得なかった、という状況でした。

なぜわざわざ、いつもの3ボランチシステムを捨ててしまったのかは謎ですが、3ボランチのままだったらもう少し失点の時間を遅らせる事ができた、少なくともあんなに簡単にゴール前でフリーの選手を作らせる事はなかったと思います。
悔やまれますね。。。


【ポイント③:気温差とガス欠対応のミス
去年、札幌の誰かが言っていました。
「夏は札幌も本州も暑いから問題ない」「問題は春と秋」「札幌が寒いのに本州が暑い時期は体力が普段より消耗するから難しい」
という話をしていました。
それがこの試合の日だったんですね。
札幌はまだ肌寒くコートが手放せません。しかしこの日の磐田は25度ぐらい、ピッチ上はもっと暑かったのだと思います。

この日の札幌の選手は60分頃から足が止まり始めます。
確実に暑さにやられている状態でした。
特に宮澤は55分頃には既に足がつり始めていたようです。両足を伸ばす姿が見えました。
そして終盤には都倉まで足をつるという状況、相当体力の消耗が激しかったのでしょう。

この試合においては宮澤のガス欠が痛かったですね。
上記②で書いた通り、2ボランチシステムはボランチの運動量頼りです。
その頼りの宮澤が早々にガス欠になってしまった、、、これは完全に誤算だった事でしょう。

このあたりでボランチに前寛之を入れておけば、中盤の運動量も回復したでしょうが、そのまま放置し2失点。
慌てて打った手は前線に内村を入れる、前線に小野を入れるというもの。
中盤が完全に死んでいる状況では、内村を入れても小野を入れても生きるわけがありません。
選手層が薄いながらも、運動量で貢献できる選手は何人もいたのですから、それでテコ入れしなかったのは失敗、大失敗でしたね。



こう振り返ると、よく負けなかったな、、、そう思える試合でした。



個人的MVP


都倉選手です。


裏に走る、ボールを収める、空中戦で勝つ、点を取る、というタスク全てをキチンとこなしていました。
特に得点シーンはキレイでしたねぇ、理想中の理想です。
金園がいる事によりマークが分散し、システムが変わるまでは非常にプレーしやすそうでしたね。
文句なしです。



個人的ワースト選手


荒野選手、四方田監督です。

荒野に関してはあの3点目は絶対決めなきゃいけない場面を外してしまった事、そしてボランチの動きがいまだ身に付いておらず安易にスペースを空けてしまい、それが2失点という結果になった事は反省してほしいですね。
合計3点ですからね。
本来ボランチではないとは言え、今季はそのポジションなわけですから、もっともっとボランチとしての精度を高めて行ってほしいと思います。

次に四方田監督。
攻撃にこだわりすぎて去年の戦いができなかった事、結果的に相手を有利にしてしまったシステム変更、謎の選手交代、、、全部がダメでした。
ここまでダメな事もあるんだな、というぐらいのダメ采配でした。
平常時の采配が出来ていれば、いつも通り、守り勝つサッカーをしていれば容易に勝てたであろう試合を落としてしまったのは、四方田監督の弱気な部分(変な意味では強気?)が出てしまったのかな、と思います。
ここで勝てなかった事で、さらに変な采配をする可能性も考えられますが、常に平常心で采配をふるってほしいと思います。


 

その他のトピック


今回のほかのトピックは以下の通り。

①菅は攻撃はいいんだけど守備がほんとダメ!低い位置でプレーさせるのが怖いのが課題!

②ミンテはほんと手を使いすぎ!あと裏を取られすぎ!

③荒野は得点力を捧げてガサガサ声を手に入れる悪魔の契約でもしたの?


④金園は得点力を捧げてAV男優顔を手に入れる悪魔の契約でもしたの?

⑤また怪我人、、、早く誰か復帰して!!!


こんなところでしょうか。
さて、次回はホームで大宮戦です。

ここは絶対に勝たなければいけない!負けた方がJ2行きになる、ぐらいの気合で勝つぞ!!!

【J1第8節】浦和レッズ戦短評

★J1第8節★

【会場】
埼玉スタジアム2002(埼玉県)
2017年4月22日14:00キックオフ

【スコア】
 コンサドーレ札幌 2-3 浦和レッズ


【得点】
(浦和)20分 ラファエル シルバ
(札幌)34分 兵藤
(浦和)40分 関根
(浦和)74分 興梠(PK)
(札幌)87分 福森


20170422191954
20170422192006


J1残留のために:あと【8勝2分16敗】



スタメン・ベンチ・途中交代


20170422192018
20170422192028



得点・失点まとめ


【20分・失点シーン】
札幌左サイドからの浦和のコーナーキック。
ニアサイドに放り込まれたボールに対し宮澤と浦和のラファエル・シルバが競り足元にこぼれる。
そのボールに対し倒れこみながらラファエル・シルバが反応しゴールに蹴りこみ失点。

【34分・得点シーン】
田中が左サイドから都倉に高いボールを入れると、都倉が浦和の選手を背負いながらトラップ。
流れたボールを菅がヘディングで前に送ると、走りこんだ兵藤が絶妙な胸トラップで前方に落とし冷静にシュートしゴール!

【40分・失点シーン】
札幌右サイドからドリブルで切り込まれ簡単にクロスを上げられると、中で待っていた浦和の選手がフリーでヘディング。
これはソンユンが弾く。
こぼれたボールを福森がなんとか掻き出そうとするが中途半端になり、浦和の関根の前に転がる。
関根がそれを豪快に蹴りこみ失点。

【74分・失点シーン】
浦和の興梠がラインの裏に走る動きを見せると、それに呼応して浦和のラファエル・シルバがスルーパス。
そのボールを興梠が蹴りこむがソンユンがなんとか弾く。
弾いたボールが興梠の元に転がりドリブル途中に芝に躓き転ぶ。
それを見た荒木主審がPK判定。
PKは興梠が蹴り札幌ゴール右隅に決まり失点。

【87分・得点シーン】
ゴールほぼ正面からのフリーキック。
小野がボールを抱え込みセットし都倉たちに指示を送る。
小野が一度蹴る素振りを見せ、もう一度ボールに走り込む態勢になった瞬間に福森が壁の隙間を突いて蹴りこむと、浦和のキーパーが反応できずそのまま吸い込まれゴール!!



試合のポイントまとめ


日本一のビッグクラブ浦和レッズ。
その浦和との埼玉スタジアムでの一戦は『惜しかった』と言える善戦でした。

この試合のポイントは3つ。


【ポイント①:切り裂かれる左サイド】
この試合の札幌はいつもの5-3-2システムではなく、中盤を4枚にする5-4-1でした。
ディフェンスラインの5枚はいつも通り、ボランチに宮澤と荒野が並び、サイドハーフの位置に菅と兵藤、1トップに都倉という布陣。
その上で、浦和の最終ラインがボールを回していると、時折宮澤が都倉の位置まで上がりプレスを掛けに行く、という今までの試合ではあまり見ない戦い方。

浦和の最終ラインは基本的に自由にやらせ取れそうな時は奪いに行くけど無理せず、基本はボランチにボールが入ったら人数を掛けて潰しに行く、そして浦和のサイドからの攻撃をやらせない、そんな戦術だったんですかね。

ただ、その狙いは序盤から崩れてしまいます。
札幌の左サイドはいつもの田中、福森に加え、兵藤がサイドハーフのようなポジションを取りこの三人で守る布陣。
対して浦和はこの左サイドに対して関根と柏木、森脇で攻めてきましたが、まったく抑えられなかった!!!

もちろん個人の能力が高かった事もありますが、元々それほどガッツリした守備は得意ではない兵藤と、わりといつも簡単に抜かれる田中が、この試合では簡単に抜かれまくりました。
森脇が上がり柏木が持ち上がると兵藤がマークに行きますがサクッと抜かれ、関根にボールが入ると田中が簡単に抜かれ、あっという間に福森だけという状態に陥ります。

こういう場面では、いつもならアンカーの位置にいる宮澤がサイドに駆け寄り守備を助けるのですが、この日はたぶん武藤が気になり、また宮澤がポジションを空けるとゴール前に大きな空白地帯ができるため動けず。
この状態で序盤から浦和の関根に何回も左サイドを切り裂かれクロスやコーナーキックまで持っていかれました。
結果、この流れからのコーナーキックで最初の失点を与えてしまいます。

この流れは兵藤が同点にして、前からプレスをかけるようになり、また、宮澤が今までの試合通りアンカーのような役目、不利になりそうな場所に顔を出し数的有利を作り守る、という役割を思い出すまで続きます。
結果論ですが、序盤の散々関根にやられていた時に、早めに修正できていればもうちょっと違った展開になったのかなぁ、と思います。


【ポイント②:前線からのプレス
いつもは前線の都倉が比較的高い位置からプレスをしに行くのですが、この試合では都倉の1トップだったという事もあり、最終ラインでボールを持たれても何もせず、センターラインを越えてきたらプレスをかけに行く、という戦術でした。
しかし、中央やサイドに簡単にボールを配給させるという事であり、決定的なピンチを何回も生む結果になりました。
最終ラインを高くしコンパクトに保ち、人数をかけてプレスを掛け、相手のボランチ付近でボールを奪う、という狙いだったと思いますが、結果的に自由にさせすぎているという印象でした。

それが変わってきたのは兵藤が同点ゴールを決めたあたりから。
それまでは時折、宮澤が都倉の横に来て2トップのような形でプレスをかけに行く事はありましたが、この同点ゴール以降、兵藤と荒野がボランチのようなシャドーのような役割に変化、宮澤もアンカーのような立ち位置になります。
いつものような布陣ですね。
なぜこうなったのかはわかりません。同点ゴールで勢いが出て前へ出る勇気が出てきたのかもしれません。

これにより、都倉がセンターラインを越えてプレスに行くようになり、兵藤と荒野も連動して前からプレスを掛けに行く場面が目立ちました。
前半の終盤から後半の序盤、札幌が流れを掴みかけていた時間帯です。

これが意外とハマりました。
浦和の槙野と森脇はビルドアップに難を抱えているのか、ボランチとの連携が上手く行っていないのか、勢いを持ってプレスを掛けにいくと比較的簡単にパスミスをするようになります。
それを誘発してパスをカットしカウンターへ、という流れは一番前線からのプレスが強かった後半序盤で何度も見る事ができました。

これによって札幌は何度か試合の流れを掴みかけたのですが、もしこのプレスを前半序盤から続けていたら、もう少し浦和を苦しめる事が出来ていたのかな、という印象です。


【ポイント③:宮澤無双とガス欠
この試合も宮澤の働きが光っていました。
前半は基本的にはボランチの位置にいながら、時折、都倉がプレスに行く動きに合わせて最前線に駆け出しファーストディフェンダーとなり、それが交わされるとすぐにボランチの位置に戻り中盤で守備をこなす。
そして前半途中からはアンカーのような位置にも入り、危険な位置にボールが入ると寄せに行きボールを奪う。
さらにボールをキープしたら取られずに味方に展開する、という非常に多岐にわたるタスクを高レベルでこなしていました。
この宮澤の働きによって札幌の守備はなんとか堪え続ける事ができた、という試合でした。
特に前半の終盤から後半の序盤はどこを向いても宮澤がいるという状況でまさに宮澤無双状態。

ただ、いつも走り回っている宮澤でしたが、この試合ではいつも以上に走らなければならず、また札幌との気温の違いからか緊張からか、60分過ぎから極端に運動量が減って走れなくなっていきます。
これにより掴みかけていた流れを浦和に渡す結果となってしまいました。

もし宮澤のタスクを兵藤、荒野がもう少し請け負う事ができていたら、もう少し長い時間、札幌の良さを出せたのかなと思います。



個人的MVP


ソンユン選手です。


文句なしでしょう!!!
このピッチに立っていた札幌、浦和の選手の中で一番目立っていたと思います、ひいき目です。
この試合、興梠の絶妙な裏への抜け出しで何度もピンチを招いていました。
しかしそれをことごとく跳ね返し続けたのがソンユンでした。
少なく見積もっても5点分ぐらいは決定的ピンチを防いだのではないでしょうか。
その結果、興梠はPKの1点止まり。

神様仏様ソンユン様!!!

このソンユンの頑張りに報いるためにも勝ち点をもぎ取りたかったのですが、惜しくも敗戦。
ただ、この試合で『惜しい』という感想が言えるのは間違いなくソンユンのおかげです。



個人的ワースト選手


荒野選手です。

ものすごく悪いわけではありませんでした。
ただ、雰囲気に呑まれてしまったのか、前節のような思い切りの良さは見られませんでした。
去年から言い続けてますが、荒野はある意味バカになった方が良い働きをするんですよね。
しかしこの試合の荒野は悪い時の荒野。
無駄に色々考えてしまっていたのか、非常に迷いながらプレーをしていました。
迷いながらプレーをすると判断が遅くなります。
特別速いわけでも上手いわけでもない荒野は、迷いながらプレーしていたら確実に動作が遅くなります。

結果、プレスに行くべきところでタイミングを迷いプレスに行けず前にボールを通され、せっかくボールを奪っても迷いながらドリブルをしているためパスタイミングが遅れ囲まれ結果的にチャンスをつぶし奪い返されてピンチを招いてしまう。。。

この日の途中交代もそこらへんが原因だったのかもしれません。
菅がフル出場し荒野は途中交代させられた、、、このあたりを真摯に受け止め、良い意味でバカになってプレーしてもらいたいなと思います。


 

その他のトピック


今回のほかのトピックは以下の通り。

①前線に近い位置にいた時の菅の迫力すげぇぇぇ!興梠弾き飛ばすしえげつないパス通すしもしかしたら凄い選手になるかも???

②兵藤の胸トラップに濡れた!

③福森のフリーキックに漏らした!
イエローには気を付けて!リーチだよ!

④都倉は決定的チャンスはなかったけど迫力は見せた!

⑤荒木友輔主審はなんでJ1で審判やってるの?ねぇねぇなんでJ2レベルの審判なの???

⑥興梠のPKは絶対PKじゃないからな!異論は認めない!!!


こんなところでしょうか。
さて、次回もアウェイで磐田との大一番です。

ヤマハスタジアムで久々のジュビロ相手!J2を思い出して勝とうぜ!!!

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