★J1第3節★

【会場】
札幌ドーム(北海道)
2017年3月11日15:00キックオフ

【スコア】
 コンサドーレ札幌 1-1 セレッソ大阪


【得点】
(セレッソ)13分 ヨニッチ
(札幌)73分 都倉



20170312203720
20170312203734

J1残留のために:あと【11勝20敗】



スタメン・ベンチ・途中交代


20170312203755
20170312203808



得点・失点まとめ


【13分・失点シーン】
札幌陣内中間地点からのセレッソのフリーキック。
ソウザがゴール前に早いボールを放り込むと、走りこんだセレッソの選手が頭で合わせ失点。

【73分・得点シーン】
セレッソがクリアしたボールを福森が拾いゴール左サイドへ展開。
ボールを受けた内村が左サイドで相手選手がプレスに来る前にゴール前にクロスを上げると、都倉がヘディングで叩き込みゴール!



試合のポイントまとめ


ホーム2連戦の1試合目。
相手は札幌と同じく昇格組、そして札幌と同じく未勝利組のセレッソ大阪。
結果は非常に惜しい引き分け。
この試合のポイントは3つ。


【ポイント①:フワフワした前半】
ホーム開幕戦は毎年、なんかフワフワした状態で試合に入ってしまう札幌ですが、今年も例外なくチーム全体がフワフワした試合の入り。
全選手がバタバタと慌てている、目の前の試合に集中できていない印象。
予想に反してセレッソが前線からがんがんプレスを掛けてきたのもあるのでしょうが、せっかく札幌のボールになっても慌てて前線に放り投げてしまい、それを簡単にセレッソに拾われる展開。
さらにはパスで繋いで行こうとしても『みなさん初対面ですか?』というぐらい、周囲と呼吸が合わずパスミスを連発。
たまにカウンターを繰り出す事はできるものの、基本的にはセレッソ相手でも守備に追われる展開。

そんな地に足のついていないチーム状況の中でのセレッソのフリーキック。
この時も異様にフワフワしていました。
ソンユンも声が出ておらず選手への指示がイマイチ。
ライン上に並ぶ選手の位置関係も今までよりルーズになっている印象を受けました。
ボールを入れられる前の立ち位置は、大外から山下、宮澤、ミンテ、ヨニッチ、山村、福森という並びだったのですが、ミンテの位置が中途半端で、しかもミンテは「ヨニッチは福森、俺は山下」という意識だったように思えます。(札幌はゾーンディフェンスなので明確にはマークは存在しませんが)
宮澤もミンテの位置について特に調整をしている形跡がないため、そのあたりがルーズになり、そこにボールが入ってきてほぼフリーの状態でヨニッチがヘディング。
いつもなら起こりえないズレが原因の失点でした。

元々、菊地が入るはずだったポジションに急きょミンテが入った、というアクシデントが響いた可能性もありますが、根本は異様にフワフワしたチーム状態にあったように思えます。

札幌は前半、このフワフワした、地に足のついていない状況を改善する事ができず前半を終える事になります。

もし前半の入りがちゃんとしていればプラン通り、前半0-0で折り返せていたと思うと、悔やまれるチーム状態でした。



【ポイント②:戦術兵藤】
後半に入るとすぐに、兵藤が目を醒まします。
攻撃では左右関係なくボールのあるエリアにポジションを取りボールを受ける、出す、運ぶ動きを積極的に行い、守備でも全速力で戻りパスコースを防ぎ、または相手の攻撃を遅らせる働きを随所に見せます。

特に攻撃では全てにおいてシンプルにボールを動かす意思をチームに示す事で、チームは次第に落ち着きとリズムを取り戻していきます。

後半開始直後から試合終了10分前あたりまでは『全てのボールは兵藤を経由する』と言っても過言ではないほど、ボールが兵藤に入り、そこからチャンスが生まれていきます。

まさに『戦術兵藤』とも言える活躍ぶり!

その働きぶりが宮澤や福森を覚醒させ、チーム全体の運動量が上がりセカンドボールへの対処も早くなり、ボールをシンプルに繋げるためパスミスも少なくなっていきます。
これが最終的には都倉の得点、そして終盤の攻勢に繋がっていきます。

まだ時間がある中で足をつってしまい満足な活躍ができなくなってしまったのが悔やまれますが、同点に追いつけたのは間違いなく兵藤の活躍があってこそでした。


【ポイント③:右サイドの攻防
この試合、最大のポイントは札幌の右サイド、セレッソの左サイドでの攻防でした。
札幌の左サイドは福森がいる事からセレッソもしっかりと対処していたため、なかなか好機を作れません。
このため、この試合は右サイドへボールが回る展開も多かったのですが、石井のポジショニングが中途半端、ウイングバックとしては不適切な位置取りが多かったため、そこから好機が生まれる事が少なく、逆にボールを奪われカウンターの餌食になる回数が増えていました。

元々、セレッソの左サイドは丸橋、柿谷という攻撃において脅威になる選手が多かったため、守備で頑張れる石井、という選択だったと思うのですが、この日の石井は『いつもの石井』で、ドリブルで仕掛けられると簡単に抜かれる事が目立っており、守備でも存在感を見せつける事ができていませんでした。

加えて、急きょセンターバックに入ったミンテの位置取りが挙動不審でマークの受け渡しでズレる回数が異様に多く、このため、石井まで挙動不審に陥り柿谷がドリブルするたびに混乱し、丸橋にほぼフリーでクロスを上げられる、という有様でした。

その流れが変わったのは石井に替えてマセードを投入した直後から。
この日のシステムは札幌はいつもの3-5-2で攻撃時のサイドは基本1人だけ。
それに対してこの日のセレッソは4-2-3-1で攻守ともにサイドは2人という布陣。
普通であれば、サイドは1対2という数的不利に陥るため、センターバックのサイド、この日で言うとミンテが攻撃参加しなければマセードが孤立する状況なのですが、
この日のセレッソの右サイドにいた柿谷はまったく守備をしないため、マセードがボールを持った時は、丸橋との1対1になる事がほとんどでした。

しかも、マセード投入と同時に金園も投入し3トップにしたため、右サイドは
『金園・マセード vs 柿谷(守備しない)・丸橋』という構図。
基本的に柿谷はまったく守備をしないため、実質的には丸橋が金園とマセードを見なければいけない状況が生まれます。

必然的に丸橋のポジショニングが中途半端になるため、マセードがフリーでボールを待つ展開が起こり続けます。
マセードにボールが入れば、丸橋がマセードにつくのですが、丸橋レベルならマセードの個人技で簡単に抜くことができるため、マセードにボールが入ると必ずチャンスになる、という状況。

ここから得点が生まれなかったのが悔やまれますが、ただ、右サイドでの攻防に札幌が勝つ事ができたため、セレッソは両サイドを常に警戒しなければならず、それにより中盤や左サイドに空間ができ、結果的に都倉の得点に繋がる環境が生まれました。

もしかしたら四方田監督は、後半途中からマセードを入れる事によって、元々守備が甘い右サイド+運動量が落ちた右サイドを制圧しようという意図があったのかもしれませんが、
個人的にはもっと早くマセードを投入していれば、もっと早くからチャンスが生まれていたのではないか、と思っています。

なぜなら『柿谷は守備をしない』から。

早くからマセードを入れても、もしかしたら最初からマセードを入れていても良かったのではないか、とすら思います。

ただ、あれだけマセードがフリーの状態でアピールしているのに、そしてマセードにボールが渡れば必ずチャンスになっていたのに、兵藤以外はほぼ右サイドを見ずに窮屈な左サイドばかり見ていたのはダメでしたね。
たぶん、札幌は軽い『福森依存症』に陥っているのかもしれません。

『福森依存症』の最たる例は、後半終盤、右サイドにマセードがフリーの状態で手を上げていて、さらに右サイド寄りにいた宮澤にボールが渡ったシーン。
マセードを走らせれば決定的なチャンスが生まれていたにもかかわらず、宮澤はなぜか左サイドにボールを戻してしまい、結果的に攻撃が途絶えてしまいます。

もしかしたら、前半の『右サイドに渡してもミスしてボールが奪われる』というイメージが後半も残っていたからかもしれませんが、チーム全体の意識として、マセードが右サイドに張ったらマセードを使う、という意識付けをもっとすべきだと思います。

兵藤が足をつった後、マセードが孤立しなかなか使われなかった事が悔やまれる試合でもありました。



個人的MVP


兵藤選手です。


これは文句なしでしょう。
前節同様、攻守に走り回る献身的な動きはもちろん、この試合ではチーム全体のリズムや雰囲気を変える働きもしていました。
全体の動きが悪いと見るや左右関係なく顔を出してパスコースを作り、守備でも精力的に動き回り、技術だけではない『違い』をチームに作り出していました。

足をつっても見事なトラップで会場を沸かせ、もう動けないはずなのにチャンスには全力で走る。

この試合、会場にいた人で兵藤のプレーに感動しない人はいなかったのではないか、それほど印象に残る活躍をしてくれました。

素晴らしい!その一言です。



個人的ワースト選手


石井選手です。

ミンテももちろん酷かったのですが、それ以上に酷かったのが石井。
この日、チームの中で誰よりもフワフワしたプレーをしていました。

石井の長所は運動量の多さのはずですが、この試合の石井はその運動量を見せる事ができずじまい。
そもそも、なぜ石井はワンプレー毎に動くのを止めるのでしょうか。
前半、石井が攻撃参加しクロスを放って跳ね返された時、または、途中でボールを取られた時、そこでぼーっと立ち止まってしまう悪い癖が多く出ていました。
しかも、立ち止まった後、戻る時もジョギングで戻ってしまうため、右サイドでカウンターを受けた時は必ず数的不利になるというおまけつき。

技術がなくても人一倍走るから評価される石井なのに、技術もないのに走らなかったら何のためにピッチに立っているのかわかりません。

もし次回試合に出る事があれば、少なくとも人一倍走る石井であってほしいと思います。


 

その他のトピック


今回のほかのトピックは以下の通り。

①都倉は今日は空中戦勝ってた!

②横山、センターバックで使うのがもったいないほどの攻撃センスあるのね!

③田中はテンパりすぎ!早くドームのピッチに慣れて!

④宮澤はプチ覚醒!この覚醒を継続させて!!!

⑤ジュリーニョはやっぱFWではないね!使い方考えないとキツイ!

⑥上村主審もバックスタンド側の副審もなんでぼーっとしてるの?試合終盤でのハンドでカード出さない、ペナルティエリアでのファール見逃しは酷すぎでしょ!!!


⑦稲本また大怪我、、、またドームで稲本のプレーが見たい!焦らず治して!


こんなところでしょうか。
さて、次回もホーム、広島との試合です。

広島といえども今年は未勝チーム!ここは必勝!!!



番外編


試合後、ジュリーニョがゴール裏挨拶にやってきませんでしたが、裏でこんな事があったようです。


ジュリーニョはJ1で自分がなかなか思うようなプレーがさせてもらえず、自信を無くしつつあるように感じます。
J2ではFWの位置でも個人技でなんとかごまかせていましたが、本来はサイドの選手です。
使い方を考える時期に来ているのかもしれません。

ジュリーニョは間違いなく札幌ではワンランク上の選手だし、必要な選手です。
このまま自信を失ってしまうのはもったいない。
また輝くジュリーニョを見たいですね。