★J1第4節★

【会場】
札幌ドーム(北海道)
2017年3月18日14:00キックオフ

【スコア】
 コンサドーレ札幌 2-1 サンフレッチェ広島


【得点】
(札幌)12分 都倉
(広島)21分 水本
(札幌)44分 O.G.


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J1残留のために:あと【10勝20敗】



スタメン・ベンチ・途中交代


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20170319211158



得点・失点まとめ


【12分・得点シーン】
広島の速攻をペナルティエリア付近で防いだ札幌。
そこから展開されたボールを宮澤が相手選手2人に囲まれながらもキープし左サイドに展開。
ボールを受けた深井が左サイドで待っていた兵藤に繋ぐと、兵藤が少し下がりながら前線に一気にフィード。
そのボールを都倉が競り合い広島の選手が倒れフリーになり、都倉が落ち着いて相手GKの股をぶち抜いてゴール!

【21分・失点シーン】
広島が札幌右サイドから奥深くへ切り込みクロスを上げるがマセードがブロック。
それで得た広島のコーナーキック。
札幌右サイドからニアサイドへの早いボールが上がり、広島の水本へのマークを都倉が見失うと、その水本が頭で合わせ流し込まれ失点。

【44分・得点シーン】
広島陣内のセンターラインとペナルティエリアの中間、少し左寄りで金園が倒されフリーキック。
福森がペナルティエリア内ファーサイドに早いボールを入れると、マークを振り切って走りこんでいたミンテが素早く中央に折り返すと、ゴール前に走りこんでいた宮澤の横、広島の選手に当たりオウンゴール!!



試合のポイントまとめ


ホーム2連戦の2試合目。
相手はJリーグで何度も優勝経験を持ち、でも今季は対戦時点で1分2敗のサンフレッチェ広島。

結果は今季初勝利!!!

この試合のポイントは3つ。


【ポイント①:積極的なハイプレス】
今回の札幌は広島相手に堅実な戦い方、確実に勝ち点1を狙うサッカーをしてくるものと思っていました。
が、今回のシステムは5-2-3。
都倉を中心に金園が右、兵藤が左に展開する3トップに、宮澤、深井の2ボランチという、勝ちを狙いに行く布陣。
しかも、この3トップが広島の3バック+GKに開始直後からプレスを仕掛けて行く戦術。

最初は3トップが広島のパススピードについていけず最終ラインまで簡単に運ばれる事が多かったのですが、時間を追う毎にプレスがハマりはじめ、広島が3バックでのパス回し、そしてプレスを嫌がってのロングボールが多くなり、広島の攻撃が単調になっていきます。

前目からのプレスを仕掛けると攻撃を遅らせるというメリットもありますが、パスコースが限定されるので的を絞りやすくなり、中盤でボールを奪いショートカウンターを仕掛けやすくなるというメリットもあります。
実際、この試合ではショートカウンターからの決定機が今季一番多かったので、3トップからのハイプレスがハマりにハマった、札幌の思惑通りの試合だったという事になります。

しかし、この戦術の場合、3トップの負担が尋常ではないのですが、都倉、金園、兵藤が良く走り回り戦術を完遂してくれました。
たぶんこの3人じゃなければ成り立たなかったかもしれません。

スタッツでは支配率でもシュート数でもパス数でも広島が圧倒していますが、実際に試合を見てみると、それほど支配された、シュートを浴びた、パスを回され続けた、という感想は出てきません。
これは完全に札幌の戦い方がハマったという事なんでしょうね。



【ポイント②:広島の緩い守備と単調な攻撃
札幌が3トップ2ボランチシステムを採用すると、必ず空くボランチの脇を使われ相手の攻撃の起点となり、そこから失点してしまう、というのが昨季終盤の札幌が負け続けた要因でした。
ここが3トップシステムのデメリットなのですが、広島は3トップのプレスをかいくぐり、ミキッチ、清水を走らせサイドから攻撃の起点を作るという事に終始し、2ボランチの脇を使われる事がほとんどありませんでした。
もちろん、宮澤、深井が穴を開けないように走り回ったという事もあるのですが、広島はとにかくサイドからの攻撃に執着し、広島の2シャドーも前線に張り付いていたため、このシステムのデメリットが一切目立たなかった事は非常に大きかったですね。
もし仮に広島のサイドがボランチの脇を起点に時間を作り、または広島の2シャドーがもう少し下がった位置でボールを受けていたら、なかなか潰せずズルズルと守備に追われていたと思うので、札幌としては非常に戦いやすかったので、とても助かりました。

さらに広島は守備時、プレスがとても緩く、例えば今までの試合では福森がボールを持ったら確実にプレスを掛けに来て福森が長いボールを放るしかない状況に追い込まれる事が多かったのですが、この試合では福森がボールを持っても誰もプレスにこないので、福森が起点の、去年J2で良く見た攻撃パターンが何度も見えました。
他でもそれほどプレスが早くないため、今までで一番余裕を持ってボールを回し時間を作る事ができていました。

この試合、札幌にとっては攻撃も守備も非常にやり易い、ある意味相性の良い戦い方だった、というのはとても大きなポイントでした。


【ポイント③:空中戦圧勝
ここまでの3試合、都倉が空中戦でなかなか勝てず攻撃の形があまり作れていなかったのが勝てない、得点を取れない要因となっていました。
そのため、前節セレッソ戦では都倉がサイドに流れサイドバックとの空中戦を挑む時間が多かったのですが、今回の試合では、都倉が広島3バック相手の空中戦を圧勝していました。

これは、都倉がJ1のディフェンスに徐々に慣れてきたのもあるでしょうが、空中戦前のポジション取りでも都倉が簡単に広島ディフェンスを抑え込む事ができていたのが要因でしょう。
広島の3バックってそれほどフィジカルが強くないな、そんな印象を受けました。

それに加え金園も空中戦で勝ちボールを収める回数が多く、これにより札幌が攻め上がる時間が多くなり、防戦一方ではなくちゃんと戦えた要因となりました。
速いパス回しを耐えボールを奪っても、前線で起点が出来なければ良い攻撃には繋がりませんが、今回は都倉も金園も、後ろから蹴られたロングボールをしっかり競り勝ちマイボールに出来ていたので、2ボランチやウイングバックも安心して前線に顔を出せる状態になったのは非常に大きかったですね。


J2で続けていた戦い方がこれほどキレイにハマるとは、ちょっとビックリしていますが、今回のこの勝利は『ただ勝った』というだけではなく、チーム全体に『今まで通りの戦い方でもJ1で通用する』という自信を植え付ける、勝ち点3以上の価値がある勝利だったと思います。



個人的MVP


宮澤選手です。



今回の試合の宮澤は『とうとう覚醒した』と思うほど、獅子奮迅の活躍を見せてくれました。
2ボランチの一角として粘り強い体を張った守備を見せ、時にはサイドまで走り戻るほどの運動量で中盤を支えたのはもちろん、攻撃時には最前線まで何度も顔を出し、攻撃に厚みを持たせる事に成功しました。
去年も何度か書きましたが、今の札幌は実は宮澤のチームなんだろうと思います。
宮澤が最終ラインから前線まで走り回り存在が目立つ試合では、札幌は負けていません。
宮澤の運動量がチームの勝敗を左右する、それを再確認する活躍ぶりでした。

それに加え、プレスをかけられて何人にも囲まれても絶対にボールを取られないキープ力、そして「宮澤ってこんなにうまかったっけ?」と思うほどの足技。
『宮澤が覚醒した』
今回の試合を見た多くの人がこれを思ったのではないでしょうか。

今後の試合でもこの覚醒を続けていってほしいと思います。



個人的ワースト選手


深井選手です。

凄く酷かった、というプレー内容ではなかったのですが『深井ならもっとやれるはず』という期待が大きい分、今回はちょっと物足りない内容でした。
守備はボールを狩る動き、プレスをかけるタイミングなどそれほど問題なかったと思いますが、問題は攻撃時。
まだJ1のプレーに慣れていないのか、プレスを怖がり簡単にボールを下げる動きが多かったのが大きな不満です。
それに細かいパスミスやトラップミスが多いのも不満。

フリーでボールを持ち、まだ広島の選手がプレスをかける前でも3バックにボールを返してしまうのは、本来の深井の動きではないはずです。
いつもの深井なら、ボールをキープし相手をいなし、逆サイドに簡単にサイドチェンジする事ができるはず。
もっとチャレンジすべきだし、その能力を深井は持っていると思います。
この試合でも、深井がサイドチェンジすれば大きなチャンスになる場面が何度もありました。
深井が大きな展開を頻繁に行えるようになれば、それは大きな武器になります。

もっともっと自信を持って落ち着いてプレーをしてほしいな、という思いを含め、ワースト選手としました。


 

その他のトピック


今回のほかのトピックは以下の通り。

①田中もマセードもサイド攻撃にちゃんと対応してた!

②左サイドからの攻撃ばかりになっているのはちょっと気になる!マセードをもっと見て!

③金園は1点は決めないとダメだわ!

④福森と兵藤はもっとイメージを共有してほしい!

⑤都倉は頑張ったけど失点シーンのマークの外され方、あれは無いわ!

⑥うっちー向きの展開だったけど出場できず。。。連続出場途絶えちゃったのね!


⑦木村博之主審は都倉のゴールの後からなぜか札幌にだけジャッジ厳しくしすぎ!ジャッジは公平に!!!


こんなところでしょうか。
さて、次回は中断期間を経て、アウェイでの甲府との試合です。

甲府は相当手ごわいと思うけど、これで勝てれば完全に波に乗れる!勝とうぜ!!!