【会場】
札幌厚別公園競技場(北海道)
2017年8月26日14:00キックオフ
【スコア】
コンサドーレ札幌 1-0 ベガルタ仙台
【得点】
(札幌)53分 ヘイス
J1残留のために:あと【3勝2分5敗】
札幌のシステムは5-2-3。
CBは右から菊地、河合、福森。
ボランチは右から宮澤、兵藤の2ボランチ。
WBは右に早坂、左に新加入の石川。
3トップは右からヘイス、都倉、チャナティップ。
宮澤が久々に復活。
今回は基本システムは変更せず。
【53分・得点シーン】右サイドから攻撃を仕掛けていた札幌。
しかしスペースがないため菊地が中央の宮澤へパス。
宮澤は左サイドの兵藤にボールを預けると、石川が走って空いていたスペースを駆け上がりクロスを上げると、ニアにいたヘイスが頭で合わせる。
ボールは相手GKの手を弾いてゴール!
この時点で15位の札幌と、残留争いから少し抜け出そうとしている仙台の一戦。
札幌としては絶対に勝たなければいけない試合でしたが、なんとか勝利。
この試合のポイントは3つ。
【ポイント①:宮澤復活!】
怪我で離脱していた宮澤がこの試合から復帰、スタメンでフル出場しました。
宮澤がいない間、兵藤と荒野が2ボランチを務めていましたが、すぐに自分のポジションを捨てる荒野、それをカバーしたりしなかったりする兵藤、という形で正直上手く行っていませんでした。
特に中盤がちょいちょいスカスカになる、下がりすぎて最終ラインと一体化してしまう、という症状が深刻でした。
しかし、宮澤が復帰し中盤に君臨した事により、5-2-3が劇的に変化しました。
まずは『気の利いた動き』
ピッチ上に発生する空白地帯を察知し、その場を埋めるという、地味だけど重要な仕事を90分間行い続けました。
例えば菊地が倒れた場合は右サイドにサッと入り、河合がたびたび自分のポジションを留守にして飛び出しすぎた場合はそのスペースを埋め、札幌の左サイドでチャナティップが抜かれそうになった場合はスッと左サイドにカバーに入る。
この宮澤の動きによって恩恵を受けたのが攻撃。
兵藤は攻撃時に後顧の憂いなく前線に飛び出す事が可能となり、攻撃のバリエーションが増えました。
さらに、宮澤のカバー、そして左WBに石川が入り守備が安定したため、福森も最近の試合では一番前線に上がる回数が増えました。
結果、札幌の攻撃が単純なものではなくなり、都倉が抑えられても他の選手だけで攻撃が完結できる、良い環境が生まれました。
去年から完全に札幌は『宮澤のチーム』となっていましたが、改めて宮澤の重要性、替えの効かなさ、そして四方田さんは宮澤がいてもいなくても、宮澤の働きを前提にチームを組んでいたんだな、という事を感じました。
宮澤がいたら、2ボランチでもある程度機能しますもんね。
宮澤が90分間、中盤に君臨して働き続けたのは、この試合の勝利に必須のポイントでした。
【ポイント②:フィットする守備とヘイスと石川】
この試合、3トップの守備が比較的フィットしていました。
仙台はビルドアップ時に3バックになり、それに対し札幌の3トップがぴったりとハマり、仙台に後ろからのビルドアップをさせない、ロングボールを蹴らせる守備ができていました。
さらに、仙台はなかなかビルドアップができないため、両サイドが下がり、それに引きずられる形でゴール前で怖さを発揮する野津田が下がり目、さらに本来、野津田がいるべき場所に石原が入るため、仙台の攻撃にあまり怖さがありませんでした。
3トップの守備がちゃんとハマると、守備が一気に楽になるんだ、という事を初めて感じました。
さらに、この守備にヘイスの運動量が加わります。
ヘイスどうしたの?
というぐらい走りまくり、札幌が攻めこまれる時間帯では、たぶん自分の判断で最終ラインまで戻りクリアするなど、前後半何度か、ヘイスの守備でピンチを切り抜ける事ができました。
普段そんなに走らないと思っていたヘイスがこれだけ走ると、チームとしてはとても助かります。
仙台としては、札幌の3トップの守備をくぐり抜けて最終ラインに到達しても、なぜかヘイスが戻って最終ラインに6人いるのですから、これは相当攻め辛かったはずです。
そして石川。
今まで札幌の左サイドは攻撃力はあるけど守備はイマイチ、、、そういう状況でした。
しかし石川が入り初のホーム戦。
菅だったら簡単に抜かれたり振り切られたりしたであろう場面で、石川は行くべき時は行く、コースを切るべき時は切る、非常に良い判断で、さらに福森との連携も前節より良くなり、このサイドでやられる場面が劇的に減りました。
(相手のおかげもあったけど)比較的守備が安定した
この試合の大きなポイントでした。
【ポイント③:厚別名物「強風」と新名物「洋芝」】
厚別は相変わらず変な強風が吹いていました。
スタジアムの外ではそこまで強く感じなかった風が、スタジアムに入ると強く感じる、、、そんな状態。
そんな中、札幌は前半、エンドを変えました。
試合後のインタビューで四方田さんが「後半風が止むから風上を取れ」と指示していたようです。
その前半、得点は奪えませんでしたが、ロングボールを多用しチャンスに繋げ、今思えば、それが仙台の選手を前半から走らせ続け、後半、仙台の足が止まる要因だったのかな、と。
そして後半、予報通り風が止み、その中で得点。
最近は厚別の風に泣かされる事が多かったのですが、この試合では厚別名物の強風を味方につける事ができました。
さらに今回、試合後に札幌の選手も仙台の選手も語っていましたが、すぐにボールが止まるピッチだったみたいですね。
ボールが止まりやすいと評判の札幌ドームで普段試合をしている札幌の選手が「すぐボールが止まる」と感じるぐらいですから、仙台の選手にとってみれば、相当にやりにくいコンディションだったのでしょう。
※洋芝かどうかは不明です
両方の選手がよくパスミスするなぁ、、、とは思っていましたが、このピッチ状況が関係していたみたいですね。
実際に札幌のパス成功率67%、仙台も75%とだいぶ低い数字でした。
札幌の選手は厚別で前日練習していたので、後半にはピッチコンディションに慣れてパスがよく回るようになりましたが、仙台の選手がピッチに慣れはじめたのは試合終盤。
ホームアドバンテージをしっかり活かせた試合でした。
宮澤選手です。
宮澤の活躍ぶりは前述したので割愛しますが、今日の勝利は宮澤抜きにはできなかったでしょう。
さらに宮澤、攻撃でも、例えばフリーキックを得た場面では何度も走り出してクイックスタートを狙ったり(誰も感じてませんでしたが)
前線に何度も飛び出したり、と縦横無尽の活躍ぶり。
しかも復帰初戦で走行距離は両チーム含めて1位の11キロ。
これだけ走る、しかも効果的に動ける。
宮澤は本当に凄い選手になりました。
今シーズン、フル出場してくれれば、希望が見えてきます。そのぐらいの存在になりました。
都倉選手です。
何回かあった決定機、エースなら決めなきゃダメです。
しかも、仙台の選手1人にかなり手こずりゴール前では無力化され、サイドに流れてもイマイチ効果的な働きをする事ができませんでした。
ポストプレーでもあまり収まらずに簡単に相手ボールになってしまったり、シュートを打てる場面でもボールを持ちすぎて取られたり。
守備でも、試合終盤にはガス欠からか、あまり守備に加わる場面も減り、得点も取りよく走ったヘイスと対照的に、悪い部分だけが目立ってしまいました。
いままでは元気でさえいればスタメンは保証されていましたが、ジェイが加入した今、もっと頑張りもっと結果を出さなければ、ベンチスタートになる試合も近いと思います。
『得点を取ってこそ都倉の存在価値がある』
トラップが下手でもドリブルが下手でもパスが下手でも得点さえ取れればいいんです。
今回のほかのトピックは以下の通り。
①やっぱり私、、、厚別よりドームが好きだった!
②早坂はWBじゃなく違うポジションで使ってあげたいよね。。。
③交代選手が荒野と菅という絶望感。。。
④ヘイスって実はかなりヘディング上手いよね!!!
⑤河合は飛び出しすぎてサイドまで出ちゃうのほんと止めて!宮澤がいなかったら完全にやられてたよ!!!
⑥上田益也主審は仙台からずんだ餅何キロ貰ったんだ、というぐらい酷かったけど、それ以上にバックスタンド側の副審が酷すぎた!
こんなところでしょうか。
さて、次回は1週間空いてホームで磐田戦です。
仙台に勝っても磐田に勝たなければ意味がない!連勝して残留をグッと引き寄せるよ!!!磐田には不思議と負ける気がしない!!!
風を味方につけてるって。
後半最後に有利に働き、終わった途端、不利な方向から。
厚別はまさに聖地なのでしょうね。