★J1第32節★

【会場】
IAIスタジアム日本平
(静岡県)
2017年11月18日15:00キックオフ

【スコア】
 コンサドーレ札幌 2-0 清水エスパルス


【得点】
(札幌)11分 ジェイ
(札幌)39分 ジェイ

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☆☆残留目標勝ち点34達成☆☆☆



スタメン・ベンチ・途中交代


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札幌のシステムは5-2-3。
CBは右から横山、河合、福森。
ボランチは右から宮澤、荒野の2ボランチ。
WBは右に早坂、左に石川。
3トップは右から兵藤、ジェイ、チャナティップ。

前節スタメンだった菊地は負傷のため河合に。
同じくスタメンだった都倉は前節での途中交代に異議を唱えたため懲罰的にベンチ外。
その代わりに兵藤が3トップに入る。

後半は5-4-1で守りを固めるが、大きなシステム変更はなし。



得点・失点まとめ


【11分・得点シーン】
最終ラインからボールを繋ぎ攻撃を組み立てる札幌。
右サイドから縦パスを入れ荒野が浮き球のボールを前線に送るが清水の選手にクリアされる。
しかしそのこぼれ球を早坂が頭で前線に送ると、そのボールに荒野が反応。
清水の選手との競り合いに勝ち、一度ペナルティエリア前で仕掛けるが無理だと判断したのか、石川が駆け上がっていた左サイドにボールを送る。
そのボールを石川がダイレクトでアーリークロス気味にペナルティエリア内右寄りに送ると、後方から飛び込んできたジェイが、ボール落下点で待ち構えていた清水の選手を吹き飛ばしヘディングをシュートを放つと、ゴールネットに突き刺さりゴール!

【39分・得点シーン】
札幌が清水陣内左サイドからのスローイン。
石川が後方から駆け上がってきていた福森にボールを入れると、そのままドリブルで駆け上がり前方にパスを送ると、石川、兵藤、チャナティップと細かく繋ぎ、チャナティップのドリブルに清水の選手2人が釘付けに。
そのまま仕掛けるが取られてしまい清水がなんとかクリア。
しかしそのボールがスルスルとペナルティエリア内に入ってきていた福森の足元に渡る。
福森は落ち着いてシュート、と思いきやペナルティエリア逆サイドで2人にマークされていたジェイにグラウンダーのパス。
そのパスにいち早く反応したジェイが、清水の2選手のタックルを浴びながらも冷静に左足でネットに押し込みゴール!!



試合のポイントまとめ


この時点で13位の札幌と、14位で残留争いをしている清水エスパルスの、残留を懸けた一戦。
札幌はこの試合勝てば残留決定、という試合でしたが、

見事完勝して自力で残留決定!!!

あまりの嬉しさに興奮しすぎて冷静に記事が書けるようになるまで時間がかかりました。
この試合のポイントは3つ。


【ポイント①:自力で決めたい札幌、誤った札幌対策をした清水】
この試合、札幌は『自力で、この試合で残留を決めるんだ』という意識がチーム内で統一されていて、試合開始直後から前線からグイグイとプレスを掛けにいきます。
ジェイが中央でしっかり邪魔をし、チャナティップと兵藤がボールのコースを限定し、なんとかボランチに出てきたボールを宮澤と荒野が連動してしっかりプレスを掛けに行ってボールロストを誘う、というここ最近ではなかなか見られなかった連動した、組織的な守備を見せます。
特に兵藤のボールの追い込み方は、都倉のような迫力はないものの、都倉のような無鉄砲さもなく、組織の一員としてボールを誘導する働きをしていました。
その守備によりリズムを作り試合の序盤を支配した札幌。

それに対し清水はどうやらジェイ対策を入念に行っていたようでした。
が!!!

清水が行った札幌対策がことごとく間違っていました。
清水は試合序盤から全員が下がりスペースを消す、まるで引き分け狙いでもしているような守りを固める戦い方をしてきました。
そしてジェイがペナルティエリアの中に入ると、どうやら『2人でジェイ1人を見る』という約束事があったようで、ジェイが入ってくると2人がジェイに寄っていく、という守備をしているようでした。
ただ、このどちらも札幌対策としては間違っています。
前節で他チームに札幌対策をレクチャーした鹿島先生お怒りです。

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まず、守りを固められると福森の活動場所が比較的高い位置に生まれます。
そこからアーリークロスが前線にバンバン上がるため『引いて守る』はイマイチ効果がありません。
さらにジェイは何人に付かれようが基本的に空中戦には勝ってしまうので、ジェイに複数人置いたからと言って抑えられるものではありません。
このあたり、清水の札幌対策は誤っていました。

さらに、清水は引いて守ると言っても前線の選手が厳しくプレスに行くわけではないので、札幌がボールを持って次の行動を選択する余裕まで生まれていました。

札幌の意志と、清水の戦術ミスによって前半最初の15分ぐらいは完全に札幌がゲームを支配。
その流れの中で札幌が先制点を取る事ができました。

この試合の流れ、そして先制点、、、非常に大きなポイントでした。


【ポイント②:清水の決定力の無さ
とは言ってもこの試合、札幌は全時間帯を支配されていたわけではなく、前半の序盤以外はどちらかと言えば清水のペースでした。
試合序盤はボールを持っても強引に中央にボールを預けて前に進めようとしてロストする、という事を繰り返していた清水ですが、失点後から徐々にサイド、特に松原を使ったサイド攻撃にシフト。
こういうタイプの選手に弱い札幌は松原に手を焼き続けます。

しかしこの状況で清水に点を取られなかった事が次のポイントでした。

もちろん、ソンユンの反応の良さ、全員が体を投げ出して守る守備は見応えがありましたが、それ以上に清水の決定力の無さに助けられた部分が非常に大きかった。
清水は前節までの直近5試合で1点しか取れていない、という攻撃陣が絶不調。
この試合でも「これは完全に取られた」という場面が少なくとも2度ありましたが、そのいずれも枠外に外してくれる、という状況でした。

特にゴールでワチャワチャして清水の選手がシュートを放った前半終盤、あそこで失点していたらもしかしたら一気に清水の流れになって逆転していた可能性も捨てきれなかった事を考えると、清水の得点力の無さに大いに助けられた試合でした。


ポイント③:個のレベルアップ】
前回清水と戦った時も勝ちはしましたが、内容的には完敗、という内容でした。
両サイドを蹂躙され、そのサイドをケアしようとして中盤に穴が空いたところに清水の選手が侵入してあわやゴール、という場面を何度となく作られていました。

今回も何度か危ないシーンはありましたが、サイドを蹂躙される、中盤に穴が空く、という場面はあまり見られませんでした。
それは個の力がレベルアップした証拠だと思います。

前回のサイドはマセードと菅でしたが、今回は早坂と石川。
人が入れ替わった事で個の力が増し、サイドをしっかり守る事ができていました(注:松原への対応除く)

そして中盤は荒野の成長、というか気まぐれ確変。
この試合の荒野は、まるで荒野の着ぐるみを被って荒野の声をした稲本だったんじゃないか、というほど気の利いたプレーを随所に見せていました。
守備面では前線やサイドに出張する場面はあったものの、だからと言って前回対戦のようにずっとお留守にする、という事はなくしっかりと宮澤とタッグを組んでいました。
そして攻撃ではボールを持って駆け上がり、さらには今回のチームでジェイと同じぐらい逆サイドを見ていてしっかりサイドチェンジができる、という進化がありました。

これにより、中盤でも清水にやられる事はなく、なんとか試合終了まで持ちこたえる事ができました。
去年からずっと試合をしている清水との試合であるため、余計個々の選手のレベルアップ具合がわかる内容でした。

特に荒野は気合が入ると時折別人のようになるので、今後もこのままの状態で戦ってほしいと思います。
一昨年ぐらいまで宮澤に言っていたような事でした。



個人的MVP


ジェイ選手でしょう。


この試合も2得点。
この試合だけじゃなく後半戦はMVPジェイ、と言っても過言ではありません。
それほど動かないし都倉ほど守備はしませんが、この試合でもしっかりとボールを収めるし散らせるし足技もあるのでチャナティップや兵藤との相性が抜群。
そしてそれほどチャンスがあるわけでもないのに、その少ないチャンスをしっかりとゴールに繋げる能力は素晴らしいです。
この試合も4本のシュートで2得点。
なかなかJ1ではチャンスを作れない札幌にとって、その少ないチャンスを確実にものにできるジェイは、札幌のためにいるような選手です。

残り2試合、このまま行けばチーム得点王は間違いないでしょう。



個人的ワースト選手


無し。

この試合で「ダメだった選手」を挙げるのは野暮ですわ。


 

その他のトピック


今回のほかのトピックは以下の通り。

①16年ぶり(岡田監督、野々村キャプテン時代以来)のJ1残留決定!!!

②これで心置きなく吹田スタジアム堪能できる!

③菊地がいなくても他の選手がカバーできる、選手層は去年より厚くなったね!

④みんないつものクセでジェイを通り越して左サイドの兵藤にクロス上げてたのは地味にツボ!

⑤真相はわからないけど、とりあえず都倉は坊主になったらいいと思うよ!


こんなところでしょうか。
さて、次回はアウェイでガンバ大阪戦です。

中原の成長をみんなで見届けた上で、ガンバ大阪に勝って長谷川健太監督から中原のトリセツ貰おうぜ!