★J2第9節★

【会場】
札幌ドーム(北海道)
2016年4月24日13:00キックオフ

【スコア】
 コンサドーレ札幌 1-0 セレッソ大阪


【得点】
(札幌)82分 稲本

【スタメン】
GK25 ク ソンユン  
DF18 増川 隆洋  
DF24 福森 晃斗  
DF35 進藤 亮佑
MF7 ジュリーニョ  
MF8 深井 一希  
MF10 宮澤 裕樹  
MF23 マセード  

MF31 堀米 悠斗  
FW9 都倉
FW13 内村  

【途中交代】
71分 マセード→上原
78分 深井→稲本
85分 内村→櫛引

001

003

005

002

004



J1自動昇格のために:あと【22勝11敗】

プレーオフ進出のために:あと【15勝16敗2分】



【総評】試合振り返り


J2第9節、コンサドーレ札幌は、この時点でJ2首位、そして無敗のセレッソ大阪と対戦しました。
札幌にとっては序盤の大一番です。

結果。。。

勝った!

無敗セレッソに勝った!!

桜は散った(まだ咲いてないけど)!!!

山なんとかさんに勝った!!!!!


今回は冷静に振り返る事ができないので短めに振り返ります。

札幌のスタメンは、前節より少し変化。
前回イマイチかつ失点の原因を作った櫛引がベンチに退き、福森がCBに入り、WBに堀米が入りました。
また、菅がベンチ外となり、トップ下にジュリーニョが入り、内村がFWで初先発。
前線は、前回後半の上手くいった布陣にした感じです。
フォーメーションは3-4-1-2。
事前に予想されていた3ボランチではなく、トップ下を置いたところが意外でした。

さて、この試合。
開始直後よりセレッソ大阪が勢いよく攻め、札幌がしっかり守るという展開になります。
さすがにセレッソは一人一人の技術が高く、ゴール前で簡単に札幌の選手を振りほどきクロスを上げる、シュートを打つなど、セレッソに優勢な展開。
これに対して札幌はCB3人+WB2人がべったりと引き、ゴール前のスペースを埋め、さらには2ボランチまでゴール前を固める事で守り続ける展開が続きます。

この展開ではボランチが下がり続けていたため、トップ下のジュリーニョ、2トップの内村、都倉も下がらざるを得ず、せっかくボールを拾ってもゴールまでが非常に遠く、効果的なカウンターや攻めが出来ず、セレッソにボールを取られ守備陣がどんどん疲弊していくという悪循環。

実はこの時点で1失点は覚悟していました。
が、ここがセレッソの不思議なのですが、セレッソの攻撃陣、特に11番にあまりフィニッシュ能力がなくシュートまで持って行けず、シュートを打っても枠外か弱いシュート。
さらにはセレッソの11番はあまり競り合いに強くないのにゴール前に鎮座しており、高さのある9番がクロスを上げるというチグハグさ。
そして極めつけは、このメンバーの中で一番怖い8番の柿谷が中盤の位置からパス出しの役割になっており、シュートやドリブルがまったく見られず、正直怖さがまったくなかったです。

ここは札幌がものすごく助かった部分です。
もし柿谷がセレッソ11番の位置にいたら前半に確実にやられていたでしょう。

前半、ゴール前をかき回され、柿谷がゴール前でフリーでボールを持ち、かつ、前に札幌の選手がまったくいなかったにもかからわずシュートを打たず11番にパスを出し攻撃を終えた場面がこの試合のセレッソを象徴しているようでした。

中盤の柿谷。
前述のとおり、前線に顔を出さずに組み立てに注力していたのですが、ここで深井がしっかり柿谷を抑え込み、中盤でまったく仕事をさせなかったのは、この試合の大きなポイントでした。
深井がしっかり与えられた役割をこなし、柿谷をこの試合から消し去ってしまった。
実はここが勝敗を分けたのかもしれません。

前半は支配率は圧倒的にセレッソの方が上でしたが、実はシュート数はほぼ互角(札幌4本(枠内2本)、セレッソ5本(枠内3本))。
さらに言えば、決定的チャンスという意味では札幌の方が作っていました。
数字で言えば完全にセレッソを抑え込んでいた事になります。
さらにはセレッソは中盤を少ない人数で攻守にカバーしていたので、前半時点で『攻め疲れ』が見えていました。
これが後半につながります。


後半。
札幌は意図的に前線3人を残し、空いた中盤をボランチ2人、特に宮澤がカバーし、さらには福森と堀米が動き回る事でスペースを埋めます。
すると、あれだけ攻めていたセレッソが別チームのようになります。

札幌の前線、特にジュリーニョが前に残る事でセレッソの最終ラインが下がり中盤にスペースが空き、その空いたスペースを札幌が埋めるというシチュエーション。
それに加えてセレッソの運動量が前半に比べ目に見えて下がり、前半かなり脅威となっていたドリブルとランニングが見られなくなり、パスが多くなります。
しかしパスコースが容易なものばかりだったため、スペースを埋めた札幌の中盤、特に宮澤と深井がパスをかっさらって攻撃に繋げる場面がぐっと増えていきます。

後半は完全に札幌の試合でした。
札幌はショートカウンターやロングカウンターがことごとくハマリ、さらには中盤でのプレスが緩いためゴール前まで容易に運べるようになります。
攻めきれない場面も多々あり、その場合は逆襲を受けピンチになる事もありましたが、前半と同じくセレッソの前線にフィニッシュ能力がないため、後半の決定的ピンチは1度程度。
それに比べて札幌の決定的チャンスは何度もあり、いつ得点してもおかしくない、そんな雰囲気がスタジアム中に漂っていました。

逆にセレッソは得点を奪うために立て続けに外国人選手を関口、玉田に変えるのですが、前線の人数が増え中盤の人数が減りスカスカに。
セレッソは選手を代えれば代えるほど、勢いがなくなっていきます。

そんな中、深井に代えて稲本が入ります。
そして入って4分後、ゴールが生まれます。

【1点目】
セレッソがパス回しでゴール前までボールを運び、久々に前線に入った柿谷にパスが渡り、柿谷はパスを出しますが、それを稲本がインターセプトしジュリーニョとのワンツーから前線の都倉へ。
都倉が落としたボールをジュリーニョが前線右のスペースに走っていた内村へ。
内村がドリブルで切り込み、山下を釣り出したところで前線のスペースにパスを出すとそこに走りこんでいたのは稲本!

稲本が滑り込みながら逆サイドにシュートしゴール!!!ビューティフルゴール!!!


このゴール、セレッソの弱点をしっかり突いたゴールでした。
前半から柿谷のパス精度があまり高くない事を稲本は察知し、ずっと柿谷を狙っていたようなポジショニングをしています。
そしてまんまと奪い取って前線の内村。
対するは山下。
内村と山下は一緒に戦った仲。
札幌にいた頃から山下はすぐに釣り出される癖がありました。
それを札幌時は河合がカバーしていたのですが、セレッソには山下のカバー役がいません。
内村が山下をおびき寄せてできたスペースに稲本。
素晴らしいゴールでした。


このゴール前、実は小野が準備していたのですが、ゴールが決まった瞬間、櫛引を投入する準備を始めます。
そして内村と交代。
これによりフォーメーションが5-3-2に見える状態になります。
センターバックを増川、進藤、櫛引の3人。
最終ラインのサイドに上原と福森。
3ボランチに稲本、宮澤、堀米。
2トップにジュリーニョと都倉。
しっかりゴール前を固めるという守りの布陣。

最後はセレッソのゴールキーパーまで参加しましたがしっかりと守り切り勝利!

大勝利!!!

2万人の大歓声の中、これほど痛快な勝利を得られたのはチームにとってもサポーターにとっても大きな1勝でした。
今年もし昇格したら、確実にこの試合はハイライトの1試合になるでしょうね。


ただ、上位のチームに勝って下位のチームに負けるのがいつもの札幌。
次の徳島戦もホームで戦えます。
ホーム連勝を狙えるかどうか、下位のチームをしっかり叩けるか、これが重要になってきます。

さらにはまだ自動昇格ラインには達していません。
平均勝ち点2.0を超えるためにも、次は必勝です。


個人的MVP


文句なしのジュリーニョ選手、そして深井選手です。

ジュリーニョは前半からボールをしっかり納め、時間を作り攻撃の起点となっていました。
スペースの空いた後半は何度も決定機を演出し、札幌が勝つ雰囲気を作りました。
走れるし守備できるし足技上手い。
あとは決定力が上がってくるようだと、チームの飛躍に繋がると思います。
気になるのはイエローカードの数。
あと少しで出場停止になるので、いなくなったときにどうか、、、気になるところです。

そして深井選手。
総評でも書きましたが、前半から柿谷をしっかり抑え込み仕事をさせなかった事が勝利に繋がりました。
深井の地味だけど絶対に必要な働きがなければ今回の勝利はなかったでしょう。


次点で内村選手。
特に後半の内村選手は以前の輝きが蘇ったような活躍ぶりでした。
スペースに走り込み相手選手に競り勝ちあっという間にゴール前まで運ぶあの働き。
あれで得点まで奪えたなら確実にMVPでしたが、それでもスタジアムを何度も沸かせたのは確かです。
内村選手はスター性を持っていますよね。
今季、これから「打てば入る」状態に入るんじゃないでしょうか。楽しみです。


個人的ワースト選手


都倉選手です。

今回はまったく目立ちませんでした。
原因は簡単です。
狭い局面を打開する、細かいパスで崩す、連携で動く、という全体がパスサッカー的な連動をしていたからです。
去年も一昨年もそうでしたが、こういうサッカーを札幌がしだすと一気に存在感がなくなりますね。
今回の試合も、都倉選手のドリブル、パス、トラップ精度の悪さが目立ちました。
ここらへんをもうちょっと改善してくれると、こういう試合でも得点を量産できるようになると思うのですが。。。

また、今回の試合はポストプレーという面でも完全にセレッソに抑え込まれてしまっていました。
ジュリーニョ選手ががんばっていただけで、ここは非常に気になりました。
これからどんどん都倉選手へのマークは厳しくなっていくでしょうから、ここらへんを早く改善してゴールを決めてほしいところです。

ってだいたい都倉選手をディスるとすぐ活躍してくれるので、次期待しています(笑)


改善点など


今回は狙った試合展開をやり切った感じなのでほぼほぼ完ぺきだったのではないでしょうか。

ただ一つだけ気になる点があるとするなら、ボールを奪った後の展開です。
ジュリーニョ以外、ボールを奪ってすぐに前に出すという意識が薄い気がしています。
特に前半、左サイドでボールを高い位置で奪ったにもかかわらず、さらには右サイドがフリーだったにもかかわらず、左サイドで短いパスで繋いで繋いでセレッソが戻りきってボールを奪われる、というシーンが象徴していました。

ボールを奪った位置、状況によって速く攻めるのか時間をかけるのか、これをチームで意識してほしいと思います。


上記以外では

①マセードは攻撃はもっと積極的に。守備はすぐフェイントに引っかからない。

②都倉は前半ダメなら早々に諦めるべき。

③今村義朗主審はライセンスを持っているか再確認すべきだし、ライセンス持ってたならもう一回研修受けなおすべき。素人

④山下へのブーイングは来年もっと徹底しようぜ

こんなところでしょうか。
次回もホーム。

いまいち調子の上がらない徳島相手です。

ガッツリ勝って良いGWに入りましょう!!!